自分のプロネーションを知る方法。ランニングシューズのすり減り方で判断できるのか?

結論から言うと、ソールの減り具合だけで、オーバープロネーションかアンダープロネーションかを判断するのは難しい
メーカー4社に電話でヒアリングした内容を含め、調査結果を以下にまとめました。

プロネーションとは?

アシックスの公式サイトの説明が分かりやすいです。

プロネーションとは、着地したときの衝撃を分散するために足底を内方向に回転する、人体の自然な動きです。足で地面を蹴るとき、足が内側に回転して衝撃を緩衝し、体重の約3倍の重力を支えています。

プロネーション(pronation)には、以下の3つのタイプがあります。

オーバープロネーション 着地の際に、カカトが大きく内側に倒れ込み過ぎている状態
ニュートラルプロネーション 着地の際に、カカトが適度に内側に倒れ込んでいる状態
アンダープロネーション 着地の際に、カカトの内側への倒れ込みがあまりみられない、または外側へ倒れ込んでいる状態

着地の際にカカトが内側に倒れ込むのは自然なこと。しかし内側に倒れ込み過ぎる(=オーバープロネーション)と足に負担がかかります。逆に、外側に倒れ込む(=アンダープロネーション)のも足に負担がかかります。
負担を軽減するために、メーカー各社は矯正用のシューズを販売してます。
例えば、アンダープロネーションの人は、アンダープロネーション用のシューズを履けば、カカトが外側へ倒れこまずにすみます。

自分のプロネーションを知る方法


では、自分のプロネーションを調べるにはどうしたら良いのか?
最も簡単な方法は、今履いているランニングシューズのソールのすり減り方をチェックすることです。
ナイキの公式サイトに、プロネーションの見分け方が書いてあります。

オーバープロネーションやサピネーションを見分けるには?まず、普段よく履いているランニングシューズのソールを見て、どの部分が特に擦り減っているかを調べてみましょう。オーバープロネーションの場合、ソール内側の端が特に擦り減っています。サピネーションの場合は、ソール外側の端が擦り減っています。次に、シューズを平らな場所に置きます。内側に傾いた場合はオーバープロネーション、外側に傾いた場合はサピネーションであることを示します。

つまり、

  • ソールの内側の端がすり減っている→オーバープロネーション
  • ソールの外側の端がすり減っている→アンダープロネーション

ということです。

シューズメーカー4社に直接聞いてみた

プロネーションの見分け方を書いていたのは、ナイキの公式サイトだけでした。念のため、シューズメーカー4社のカスタマーセンターに電話で問い合わせて見ました。
以下は回答の要約です。4社とも真摯かつ丁寧に回答いただきました。

アシックス

カスタマーサポートからプロネーションに詳しい担当者に繋いでいただきました。個人差があるので自分でプロネーションを判断するのは難しいとのこと。矯正用のシューズを履いている場合は、ソールが減らないように設計されているので「減り具合」だけで判断することはできない。
そのため、公式サイトではあえて自己判断の指標は載せていないとのことでした。

ナイキ

カスタマーサポートの方に回答いただきました。オーバープロネーションは足の内側に重心がかかり、ソールの内側が減りやすい。アンダープロネーションはその逆でソールの外側が減りやすいとのこと。

アディダス

カスタマーサポートの方に回答いただきました。環境(足場)や歩き方によって個人差があるため、自分でプロネーションを判断するのは難しいとのこと。

ニューバランス

カスタマーサポートの方に回答いただきました。オーバープロネーションは土踏まずのアーチが低く、内側とカカト全体が減る傾向にある。日本人の70%がこれに該当。一方、アンダープロネーションは土踏まずのアーチが高く、外側とカカト全体が減る傾向にある。

問い合わせをして気づいたこと

ランニングシューズのすり減り方でプロネーションが判断できると回答したのは、ナイキとニューバランスの2社のみ。アシックスとアディダスは判断しづらいとの回答でした。
一方で、アシックスの担当者が「オーバープロネーション用のミッドソールは安定性を高めるために内側を硬くしてある」とおっしゃった時に、ハッとさせられました。
つまり、こういうことです。
オーバープロネーションの人がオーバープロネーション矯正用のシューズを履いていたら、シューズはすり減らない。内側がすり減っていないので、見た目だけではオーバープロネーションにならない。
よって、既に矯正用のシューズを履いている人はシューズのすり減り方だけでプロネーションは判断できない、という結論になります。
というわけで、自分のプロネーションを知りたければ、一度はメーカーの店舗やスポーツショップで専門家に調べてもらうことをおすすめします。

さいごに

断片的な知識だけでランニングシューズを選ぶのは危険です。餅は餅屋。専門家に聞いてみるのが一番です。

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