
世界最高峰のマラソン大会「IAAFゴールドラベル」の条件
→世界最高峰のマラソン大会といえば、東京・ボストン・ロンドン・ベルリン・シカゴ・ニューヨークの六大会から成るワールドマラソンメジャーズ(World Marathon Majors)が有名ですが、それとは別に、世界陸上競技連盟(IAAF)が格付けを行う「IAAFロードレース」があります。
IAAFロードレースにはゴールド、シルバー、ブロンズの3つのレベルがあり、全世界の対象レースは公式サイトで確認できます。日本にはゴールドラベルが6大会、シルバーラベルが2大会、ブロンズラベルが1大会、合計9大会が認定されています。
IAAFロードレースに認定されるには厳しい認定基準をクリアする必要があり、特にゴールドラベルは世界最高峰のマラソン大会の証といえます。どれほど厳しい認定基準なのか、IAAFロードレースのガイドラインを詳しく見ていきましょう。
ちなみに僕が今週末出場する「ぎふ清流ハーフマラソン」は、IAAFロードレースの最高ランクである「IAAFゴールドラベル」に認定されています!
高橋尚子杯 岐阜清流ハーフマラソンにエントリー完了!大人気の大会なので、参加したい人はお早めに。
IAAFゴールドラベル認定。国内トップレベルの大会です。#マラソン #ランニング pic.twitter.com/LLNpteOgLC
— とも✈️マラソンブロガー (@tomorunblog) 2018年11月15日
ロードレースラベルの概要
認定ラベルはゴールド、シルバー、ブロンズの3段階。ゴールドが最上級のマラソン大会となります。各ラベルの正式名称は次のとおり。
- IAAFゴールドラベル
- IAAFシルバーラベル
- IAAFブロンズラベル
認定は毎年更新されます。認定の継続を希望する場合は、大会開催日の30日以内に翌年の申請をする必要があります。
ブロンズからシルバー、シルバーからゴールドへの格上げも可能です。アップグレードの申請する場合はIAAFに事前に連絡し、審査のための調査員を派遣してもらいます。先ほどご紹介した「ぎふ清流ハーフマラソン」は、2017年にIAAFシルバーラベルからIAAFゴールドラベルへ格上げされていますね。
参照:産経新聞 ぎふ清流ハーフマラソン、最高位の「ゴールド」に 国際陸連のレース格付け
対象のレースは、フルマラソン、ハーフマラソン、その他のレース。「その他」には、世界記録の対象となる距離(10キロ、15キロ、20キロ、25キロ、30キロ)または長い歴史のある大会が含まれます。
同一のマラソン大会で複数の種目があっても、あくまでもレース単位で認定されます。例えば、毎年11月に開催される「さいたま国際マラソン」にはフルマラソンの部、キッズランの部、ファンランの部がありますが、シルバーラベルに認定されているのはフルマラソンのみ。
それでは、気になるロードレースの認定基準を詳しく見ていきましょう。
ロードレースラベルの認定基準
最初に注意点ですが、ロードレースラベル認定基準は毎年変わります。最新の認定基準はIAAFの公式サイトに掲載されています。
参照:IAAF LABEL ROAD RACES Regulations 2018
まず、クリアするのが最も難しいとされるのがエリート招待選手の条件。すべてのラベルにおいて男女各5人以上のエリート招待選手が必要です。この内、ゴールドとシルバーはエリート招待選手の国籍が5か国以上、ブロンズは4か国以上と規定されています。
また、エリート招待選手の条件として、過去36か月以内に以下の基準タイムをクリアするか、直近の世界大会(五輪・世界陸上など)で20〜25位以内の実績が求められます。
基準 | ゴールド | シルバー | ブロンズ |
---|---|---|---|
フル(男子) | 2:10:00 | 2:12:00 | 2:16:00 |
フル(女子) | 2:28:00 | 2:32:00 | 2:38:00 |
ハーフ(男子) | 1:01:00 | 1:03:00 | 1:04:00 |
ハーフ(女子) | 1:11:00 | 1:12:00 | 1:15:00 |
10キロ(男子) | 28:00 | 29:00 | 30:00 |
10キロ(女子) | 32:00 | 33:00 | 37:00 |
招待選手以外にも、満たすべき基準がたくさんあります。
コースはIAAF・AIMSが認定した公認コースであること。レース中はコースを計測した調査員が先導車に乗り、計測したコースと選手が走ったコースに相違がないかチェックをします。
ペースメーカーは3人まで認められていますが、「PACE」と書かれたナンバーカードの装備が義務付けられています。また、事前に申請すれば個人でペースメーカーを雇うことも可能。
レースタイムは「電子的」に入手できることが条件。多くの大会では公式サイトでレースタイムを公開しています。
テレビ放送についても条件があり、ゴールドは全行程を本国に加えて5か国以上で放映する必要があります。シルバーは全行程を本国で放映すればOK、ブロンズに関してはレースのハイライトのみを放映。
日本のロードレースラベル
日本ではゴールドラベルが6大会、シルバーラベルが2大会、ブロンズラベルが1大会、合計9大会が認定されています(2018年実績)。リンクをクリックすると公式サイトに飛びます。
開催月 | 大会名 | ラベル |
---|---|---|
1月 | 大阪国際女子マラソン | ゴールド |
2月 | 香川丸亀国際ハーフマラソン | シルバー |
3月 | 東京マラソン | ゴールド |
3月 | びわ湖毎日マラソン大会 | ゴールド |
3月 | 名古屋ウィメンズマラソン | ゴールド |
4月 | 長野マラソン | ブロンズ |
4月 | 高橋尚子杯 ぎふ清流ハーフマラソン | ゴールド |
12月 | さいたま国際マラソン | シルバー |
12月 | 福岡国際マラソン | ゴールド |
「福岡国際マラソン」や「びわ湖毎日マラソン大会」など(準)エリート選手しか参加できない大会もあれば、先着順や抽選で一般ランナーが参加できる大会もあります。
これまでに僕は以下の大会を完走しています。
2020年〜はプラチナラベルも!
公式サイトの最新情報によると、2020年からは「プラチナラベル」が加わります。マラソン大会の数が増えてきてインフレを起こしているのでしょうね。
どんな大会が「プラチナラベル」に認定されるか楽しみです!
参照:IAAF LABEL ROAD RACES REGULATIONS 2019