【東海道・東京〜浜松】バックパックひとつで7日間、250kmを走って旅してきた

2012年、20代の最後にバックパックひとつで東海道を走って旅してきた。東京・日本橋から当時両親が住んでいた静岡県浜松市まで、7日間で250kmの道のりをランニングで移動するという企画。当時はまだ旅ランやマラニックが珍しく、すべて自己流で計画をたて、実行に移した。その時のチャレンジ精神と経験は、当ブログ「ともらん」の原点でもある。

コース

今回の旅では、東京都中央区日本橋にある「道路元票」からスタートし、静岡県浜松市中区の「浜松城公園」でゴールする。東海道をめぐる旅ということで、基本的に国道1号線に沿いを走る。

基本ルートは国道1号線

距離にすると約250kmになる。車なら国道1号線沿いをひたすら直進すれば浜松にたどり着く。しかし、国道一号線沿いにはバイパスなど歩行禁止区域がある。また、行ってみたい観光スポットが必ずしも国道一号線沿いにあるは限らない。なので、そこはあまりこだわらずに「国道一号線沿いを走っていれば浜松に着くだろう」という気持ちで走ることにする。

7日間で250kmを走る

今回は仕事の閑散期に有給休暇を取得し、7日間連続で走れることになった。250kmを7日間で攻略するには、1日あたり35km走る計算だ。あとは宿泊場所との兼ね合いもあり、最終的に以下の日程で落ち着いた。

  • 1日目:日本橋~横浜
  • 2日目:横浜~大磯
  • 3日目:大磯~芦ノ湖
  • 4日目:芦ノ湖~富士
  • 5日目:富士~静岡
  • 6日目:静岡~菊川
  • 7日目:菊川~浜松

それでは、東海道・東京〜浜松の7日間250kmの旅を紹介する。

1日目:日本橋~横浜

初日は、東京・日本橋の「道路元票」から横浜駅付近まで走った。

  • 日付:2012年9月29日
  • 天気:晴れ
  • 出発:東京・日本橋
  • 到着:横浜・みなとみらい
  • 距離:32km

道路元票からスタート!

東海道を走るからには、はじまりは東京の日本橋と決めていた。いつも通勤で通り過ぎる地下鉄日本橋駅で下車して道路元票へ向かう。道路元票は、国内諸街道の起点であり、これから走る東海道の起点でもある。そんな道路元票の前で安全を祈願してから、ゆっくりと国道一号線を銀座に向かって走り始めた。

土曜日の銀ブラ

土曜日の朝とはいえ、さすがは銀座。歩道は人でごった返しており、走るのがままならない。しかも銀座のど真ん中をバックパックひとつで走る姿が珍しいのか、歩行者からジロジロと見られた。

新橋(3km地点)まで来ると歩行者が少なくなり、自動車が多くなる。そのまま第一京浜をひたすら直進。ペースは5:00/kmを維持する。途中、偶然にも「TOMO」(智建設株式会社)と書いてある看板を発見した。なんだか自分を応援してくれているみたいで嬉しい。

鮫洲の近くで最初の休憩。以前、自動車免許の更新でこの辺りを訪れた気がする。自動販売機でアクエリアスを買い、その隣のベンチに座ってしばらくボーっとした。目の前を赤い京急電鉄が通過していく。

それから40分ほど走り続け、やっとの思いで六郷土手(19km地点)まできた。

多摩川を渡る前に河川敷へ降りて昼休みすることに。日当たりのよい芝生の上に腰を下ろし、シャツを着替えて、アクエリアスをがぶ飲みした。隣のグラウンドでは、小学生ぐらいの子供たちが野球の練習に励んでいる。

多摩川を渡る

1時間ほど仮眠を取ってから再び走り始める。多摩川を渡ると高層ビルが多くなってきた。川崎区役所(21km地点)の交差点を渡ろうとしたとき、横から背の高い外国人男性が歩いてきた。なんか見覚えのある顔だなあ思ったら、なんと職場の同僚Jさんだった。たまたま用事で川崎に来ていたというが、隕石が地球に落ちてくるぐらいの確率で出会った気がする。

鶴見(26km地点)に近づくと、急に脚がガタついてきた。それからは歩いては走るの繰り返し。フラフラしてきたので、生麦駅付近の横浜市生麦地区センターというところで長めの休憩を取った。小さな公園になっていて、男子学生3人がバスケットボールの練習をしていた。

日が暮れ始めると、だんだん焦りを感じ始めました。目的地まであと5km。なるべく止まらずに、早歩きのペースで走り続けた。新子安(28km地点)の駅前のファミリーマートでエナジーゼリーを補給。横浜の高層ビル群が見えてくると、ホッとすると同時に元気が湧いてきた。

排気ガスが円満している国道沿いを通り抜け、日産自動車の本社ビルが見える高島町(32km地点)で今日はおしまい。明日は、ここから神奈川県大磯町へ向かう。

夜の横浜桜木町

走り終えると、16号線を桜木町駅に向かって歩き、「ホテルテラス横浜」でチェックイン。ホテルの大浴場で汗を流し、新しい半袖シャツと半ズボンに着替えるとさっぱりした。夕食は桜木町駅近くのカレーハウスCoCo壱番屋へ。知らない街でひとり夕食を食べていると、急に寂しさがこみ上げていた。

ホテルに戻ってひとりでいると、自分はなんでこんな旅をしているんだろう、と思わずにはいられなかった。

2日目:横浜~大磯

2日目は、横浜の高島町から大磯町まで走った。

  • 日付:2012年9月30日(日)
  • 天気:晴れ
  • 出発:横浜・みなとみらい
  • 到着:茅ヶ崎
  • 距離:31km

いきなり脚がパンパンに

昨晩はぐっすり眠れたものの、太ももあたりがパンパンに腫れて歩くのもままならない。ホテルでチェックアウトを済ませ、昨日の終点の高島町まで歩くと、太ももの張りが少しだけほぐれた気がした。高島町から重い脚をあげて走り始めると、国道沿いに道路標識が見えました。

交通量の多い国道1号線をひたすら走っていくと、保土ヶ谷(37km地点)あたりから急に上り坂になる。何度か歩きながらやっと峠を越えると、今度は戸塚方面に向かって坂を下っていく。

柏尾川を越えて、ようやく戸塚(44km地点)に到着。脚がぜんぜん動かないので戸塚駅で休憩することにした。駅前の喫茶店でブラッドオレンジジュースを注文。ソファーでしばらく休むと、脚の疲れが嘘のよう消えた。やはり柑橘系は疲労回復に効果がある。

湘南で道に迷う

再び国道1号線を走り始める。藤沢バイバス(50km地点)まで来ると、歩道が途切れてしまった。バイパスを走るのは自殺行為ともいえるので、迂回路を走っていく。しかし地図を確認せずに進んでいくと、進行方向と逆に向かっていることに気づいた。

すぐさま折り返すが、疲れがピークに達したために自動販売機の横で座り込んでしまった。先ほどのような無駄足は、肉体的にも精神的にも堪える。

気を取り直して、そこから辻堂(58km地点)まで歩いた。駅前の「テラスモール湘南」の喫茶店でひと休み。先ほど同様、グレープフルーツジュースを注文し、テラスでぼんやりと過ごした。

またまた柑橘系のおかげで元気を取り戻し、辻堂駅から茅ヶ崎(63km地点)までほぼノンストップで走り切れた。

台風接近

ところが台風18号の影響で雨がポツポツふり始めた。ウィンドブレーカーを羽織って、走り続けようとした途端、土砂降りに様変わり。茅ヶ崎駅でしばらく待機するが、雨が弱まる様子はない。茅ヶ崎から目的地の大磯まで10kmも残っている。完全走破を目指して土砂降りのなか走り通すか、茅ケ崎から二宮まで電車に乗るか。相当悩んだが、最後は電車に乗ることを選んだ。

二宮駅から宿泊先の」大磯プリンスホテル」までタクシーで向かった。ここで無理して身体を壊したら元も子もない。タクシーの運転手さんの話だと、今晩、台風がこのあたりを通過するらしい。

ホテルに着くと、すぐさま温泉に入って冷えきった身体を温めた。そして大雨の中、ホテルから歩いて5分のところにある中華料理屋「媽媽厨房」でガッツリと夕食をいただく。

3日目:大磯~芦ノ湖

3日目は大磯から小田原を経由し、箱根の峠を越えて芦ノ湖を目指す。

  • 日付:2012年10月1日(月)
  • 天気:晴れ
  • 出発:大磯
  • 到着:芦ノ湖
  • 距離:35km

小田原へ

ホテルでチェックアウトを済ませて外にでると、雲ひとつない青空だった。昨晩の大型台風が嘘のようだ。不思議と脚の痛みも台風と共に過ぎ去り、今日は初日同様に気持ちよく走ることができた。二宮駅交差点を通り過ぎ、国道1号線沿いを西に向かって走っていくと「小田原市」の看板が見えた。

左手には住宅地の合間から相模湾が見える。右手には時おり富士山が姿を現す。

大磯~小田原間は一直線でフラットな道のりなので14kmを一気に駆け抜けられた。途中、酒匂川(73km地点)に差し掛かり、穏やかに水が流れる様子を見ながら川を渡った。

しばらく走り続けると、小田原駅(77km地点)に到着。駅前の二宮金次郎像に挨拶をしてから、駅ビルのスタバで休憩。ブラッドオレンジのジュースを一気飲みしてソファーで1時間ほどボーっとしていた。

時間と体力に余裕があれば、小田原城(78km地点)を見学したいところだが、時間がないので箱根の登山道へ急ぐ。

箱根湯本

小田原城を過ぎた辺りから、長い緩やかな上り坂が始まる。進行方向右手には小田原駅~箱根湯本駅間を結ぶ箱根登山鉄道が並走している。普段は電車で通り過ぎるこの道も、自分の足で走ると全く違った風景に見えるから不思議だ。

箱根湯本(84km地点)に到着すると、ひと休みしたい気持ちを抑え、その先の「湯の里 おかだ」まで走り続けた。

ここには以前、妻と旅行で訪れたことがある。日帰り入浴ができるので、汗を流し、畳のある休憩室で1時間ほど仮眠を取った。

箱根の登山道

ここからが東海道最大の難所、そして今回の旅の正念場だ。箱根の登山道をひたすら上へ上へと進んでいく。途中、ところどころに「箱根旧街道」の標識が立っていた。走ってみたい気もしましたが、寄り道になることを恐れて、ひたすら登山道を進む。

しばらくすると、箱根寄木細工の集落(91km地点)が見えてきた。箱根の名産品がこんな山奥で作られていたとは驚きだ。

集落を抜けてさらに進むと、ヘアピンカーブ(92km地点)と呼ばれる急斜面の登山道に差し掛かる。これより急勾配&急カーブが1kmほど続く。

さすがに脚がガタついてきたので最後は徒歩で乗り切った。峠に差し掛かった頃にはもうヘトヘト。しかし昔の人はよく考えたもので、ちょうど良いタイミングで甘酒茶屋(95km地点)を発見。吸い込まれるように茶屋の中に入り、お餅と甘酒を注文した。

そこから芦ノ湖(98km地点)までの道のりは、坂を下るだけで楽勝だった。そして無事に芦ノ湖に到着!曇っていたので富士山は見えなかったが、箱根の山を越えられたことに感謝した。

芦ノ湖付近には手頃なホテルが見つからず、今回の旅で最もグレードの高い高級旅館「和心亭 豊月」に宿泊した。頑張ったご褒美ということで。宿の人は気持ちよく迎えて下さったが、バックパックひとつで東京から走ってきたことを告げると、かなり驚いた様子だった。

4日目:芦ノ湖~富士

4日目は芦ノ湖から峠を越えて静岡に入り、富士山の麓を目指す。

  • 日付:2012年10月2日(火)
  • 天気:晴れ
  • 出発:芦ノ湖
  • 到着:富士
  • 距離:45km

箱根峠を越える

朝は少し遅めに旅館を出て、従業員の方に箱根関所まで送っていただいた。芦ノ湖の湖畔に佇む箱根関所は、江戸時代の関所の様子を展示しており、箱根駅伝の折り返し地点として有名だ。

走り始めると箱根峠(101km地点)が目の前に立ちはだかり、序盤からスローペースでの登坂となる。途中、芦ノ湖が一望できるスポットがあったので、ひとまず休憩。

芦ノ湖を一望

箱根峠を越えると、あとは楽勝。登山家は上り坂より下り坂のほうが難しいと言うが、ランナーにとっては下り坂の方がエネルギーを使わずに距離をかせげる絶好のチャンス。ここから三島まで、ひたすら緩やかな下り坂が続く。平日だからか、交通量は少なく、たまにダンプカーが轟音とともに通り過ぎるだけだった。

ちなみに国道1号線の103キロkm地点は、なんと「桑原」という地名だった。偶然というか、定められた運命というか、思わず写真を撮ってしまいました。旅には、こうした不思議な「出会い」がある。

ヘアピンカーブの国道1号線を串刺しにする形で、旧箱根街道と思わしき歩道が下に続いている。試しに走ってみましたが、急勾配で足に負担がかかるため、再び国道を走ることにした。

進行方向に三島市の街並みが一望できる。まるで鳥瞰図のようだ。

この日は真夏日で気温は30℃を超える。斜面で日光をさえぎるものなく、汗がダラダラだ。自動販売機を見つけるたびに、500mlのミネラルウォーターとスポーツドリンクを交互に補給した。

駿河湾の絶景

三島(116km地点)に入ると、平坦な道が延々と続く。朝からハーフマラソン並の距離を走ってきたにも関わらず、下り坂のおかげでまだまだ元気だ。しかし油断をしていたら、急にお腹が痛くなり、道中のイトーヨーカ堂のトイレに駆け込んだ。

しばらくトイレに籠もってお腹の調子を整えてから、再び走り始めた。三島から沼津までの国道一号線沿いは、何の変哲もない街並みが続きく。沼津(123km地点)では、駅ビルの不二家で休憩することにしました。オレンジジュース飲み干し、1時間ほど仮眠をとりました。周りは平日のランチタイム客ばかり。やはりこのスタイルで喫茶店に入ると、みんなの注目の的です。。。

シャツを着替え、気持ちも切り替え、富士市へ向かって再び走り始めた。途中、千本浜(127km地点)という松林の中を進んでいく。

せっかくなので、海岸沿いの防波堤の上を走って見た。目の前に駿河湾が広がってテンションが上がる。しかし、きれいな海とは裏腹に、砂浜はゴミだらけで辟易する。。。

どこまでも続く海岸線に沿って走っていると、なぜか笑いが止まらなくなりました。これ以上のランニングコースが世の中にあるだろうか。

途中、散歩中のご老人に声をかけ、今回の旅ランで唯一のスナップショットを撮ってもらった。心の底からニヤけているのがよくわかる。頭にかぶっているのは、入浴用の手拭い。朝から日差しが強いのでキャップ代わりだ。

しばらく防波堤に座りながら駿河湾を眺めていた。今日の目標地点の富士市まで、まだ距離はありますが、時間もある。Googleマップで検索したら、原駅(131km地点)の近くに日帰り入浴施設「天然温泉ざぶ~ん」を見つけたので、そこで休憩を取ることにした。温泉で汗を流してから畳の上でごろ寝をするが、さすがに30km以上走っているので、1時間寝ても疲れは取れない。

富士を目指して

再びスローペースで走り始める、歩いては走り、走っては歩きの繰り返し。富士市に近づくにつれて、国道1号線沿いの交通量が増えてきた。車道と歩道が完全に分離されているので安心して走れる。ようやく富士市の看板が見えてきました。

吉原駅(140km地点)付近で緊張の糸が切れてしまい、ラスト4kmは歩くことにした。富士市市役所(144km地点)に到着した頃には、もう日が暮れていた。

今日は市役所の隣にある「くれたけイン富士山」に泊まる。部屋からは、富士山のシルエットが見えた。

5日目:富士~静岡

5日目は富士から静岡へ、静岡県内を横断する。

  • 日付:2012年10月3日(水)
  • 天気:曇り
  • 出発:富士
  • 到着:静岡
  • 距離:32km

桜えびの町、由比

昨日はフルマラソンに相当する距離を走ったので、一晩寝ても身体はボロボロだった。太ももだけでなく、下半身全体が石のよう重く、脚が上げられない悲惨な状況。

それでも富士市市役所から、一歩ずつ足を前に出して歩き始めた。ウォーキングからスロージョギング、ジョギングからランニングというように、徐々にペースを上げていく。不思議と、何とか痛みを堪えながらも走れるようになった。富士川(149km地点)に差し掛かると、後方右手に富士山の陰影が姿を現します。

富士川を渡ると、左手にはJR東海道線、右手には岩山に囲まれながら、緩やかな下り坂を走り続ける。15分おきに両脚が硬直して走れなくなるので、こまめに休憩をとりながら進んでいく。途中、ジョギング中の男性がいたが、抜いては追い越されの繰り返しだった。やっとの思いで由比(160km地点)に到着。

ここ由比は、駿河湾の名産物「桜えび」の町として知られている。国道1号線沿いには「桜えび クール宅急便」の看板が目立つ。中には、イルカの肉を販売しているところもあった。実家と自宅に生桜えびを送ろうかと思ったが、それを実行する気力がなかった。

由比駅近くの公園に座り込み、地図を見ながら午後のプランを練る。国道1号線はこの先、車道のみで走るのは危険。清水方面に出るには、迂回して岩山のルートを走る必要がある。自分の置かれている状況を冷静に見つめ、由比駅から隣の興津駅まで電車で移動することにした。

興津(160km地点)では、国道1号線沿いの定食屋さんでとんかつ定食を平らげた。とんかつのおかげなのか、少し元気が出て、また走れるようになりました。ここからは風情ある建物が連なり、風景を楽しみながら進んでいく。

途中、住宅街に入り込み、東海道新幹線の下をくぐって草薙駅方面へ向かいました。お目当ては、この地域で有名な中伊豆温泉「草薙の湯」(170km地点)。

温泉で疲労回復

ここ数日間で入浴と仮眠が疲労回復に効果的だということを学んだ。また。入浴では、暑い風呂と水風呂に交互に入ると、疲れが取れやすいこともわかった。1日の走行プランを練る際には、中間地点で入浴施設に立ち寄るのが良い。

入浴の後は、気持ちくよく走ることができた。夕方の通勤ラッシュで賑わう静岡駅(176km地点)で今日のランはおしまい。

こちらは静岡駅北口のバスターミナル。着いた頃には、もう日が暮れていた。

6日目:静岡~菊川

旅もいよいよ終盤を迎える。6日目は静岡から大井川を越えて菊川を目指す。

  • 日付:2012年10月4日(木)
  • 天気:晴れ
  • 出発:静岡駅
  • 到着:菊川駅
  • 距離:36km

安倍川もち

相変わらず脚が石のように重く感じるが、昨日ほどの疲労感はない。静岡駅前から国道1号線を走り始めると、間もなく安倍川(178km地点)に到着。「安倍川餅(あべかわもち)」で有名な安倍川だ。安倍川を渡っている途中、東海道新幹線700系が矢のごとく通り過ぎていった。

安倍川を越えてさらに進むと安倍川駅(180km地点)に到着。ここから先、焼津方面へ出るにはトンネル道かバイパスしかないため、電車で焼津駅まで向かうことにした。

国道一号線をまっしぐら

焼津駅からは、国道1号線をひたすら直進するのみ。途中、国道1号線の標識が目に留まると「日本橋から200km以上走ったんだ!」という実感がこみ上げてきた。

ずっと炎天下を走り続けたので、20kmにもいかないうちに体力が限界に近づいていた。そこで、国道1号線に近い島田蓬莱の湯(194km地点)で早めの休憩を取ることにした。日帰り温泉を中継(休憩)地点にする戦略は今のところ上手くいっている。

蓬莱橋を渡る

ここから本来のルートである国道1号線をしばらく離れる。Googleマップを見ていたら、この近くに世界で最も長い木造橋があることを知り、行ってみることにした。しかも目的地の菊川方面への抜け道もあるという。走り始めて5分ほどで大井川(195km地点)が見えてきた。その先には、アメンボのように立つ蓬莱橋(196km地点)が見える。

蓬莱橋は、全長897.4メートル、幅2.4メートルの世界一長い木造歩道橋。

大井川に自分の走っている姿が映っている。

蓬莱橋を渡り切ると、急な山道を上っていく。その上には茶畑が広がっていた。

茶畑を通り抜けて

茶畑越しに大井川が一望できる。

こんな感じで茶畑の中をひたすら走っていく。

前後左右、どこもかしこも茶畑なので、方向感覚を失ってしまう。しかもGPSの精度が落ちてきて、何度か道に迷ってしまった。

地元ランナーと一緒に走る

峠を越え、緩やかな坂を下っていく。近くには新設されたばかりの静岡空港がある。田舎道なのに、道路がピカピカだったのはそれが理由か。

目的地の菊川駅(212km)に近づくと、隣を走っていた地元ランナーの方が話しかけてくれた。「日本橋から走ってきた」と伝えたら驚かれていた。また、明日は掛川付近でお祭りがあるので、走るなら街中を迂回したほうが良いとアドバイスをいただいた。

菊川駅に手ごろな宿が取れなかったため、JR東海道線で島田駅までいったん戻り、駅近くの「ホテルルートイン島田駅前」で一泊した。夕食は、ホテル近くの定食屋「魚魚茂」で刺身定食とおつまみをいただいた。

7日目:菊川~浜松

ついに最終日!7日目は菊川駅から天竜川を越え、浜松城公園を目指す。

  • 日付:2012年10月5日(金)
  • 天気:晴れ
  • 出発:菊川駅
  • 到着:浜松城公園
  • 距離:38km

ホテルでチェックアウトを済ませ、東海道線で島田駅から菊川駅まで電車で向かう。菊川駅からは、駅前の37号線沿いを西に向かって走り始めた。さすがに7日目となると、異次元の疲れというか、漬物石を担いで走っているような感じだった。掛川駅(220km地点)に着くと、駅前のベンチに座って早めの休憩をとった。

掛川から天竜川までの道のりは、何もない田舎道をひたすら走る。その隣を東海道新幹線がビュンビュン通過していくので、モチベーションを維持するのに苦労した。疲れもピークに達して、走っては歩くの繰り返し。ゴールまでそう遠くないのに、足が動かなくなってしまった。

何とか歩きながら、日帰り入浴の磐田ななつぼし(238km地点)にたどり着いた。疲れを取るために温泉と水風呂に交互に入り、仕上げに足のマッサージをしてもらった。マッサージ師の男性は、僕の足が異常に腫れているのにビックリした様子だったので、日本橋から走ってきたことを伝えると、さらに驚いていた。

天竜川を渡る

マッサージが思いのほか効果あり、再び走り始めることができた。国道1号線に合流すると、天竜川(241km地点)が見えてきた。

いつも東京から実家の浜松へ帰省する時、新幹線の窓から天竜川が見えると、実家に戻ってきたと実感する。自力で走って天竜川を渡るのは、もちろん今回が初めてだ。天竜川のあたりが、日本橋からちょうど250km地点。今回は国道を外れたり、一部電車に乗ったりしたので、実測値では10kmくらいの誤差がある。

ラストスパート

ラスト5kmは気合で走り抜いた。ゴールは、小学生の頃によく遊んだ浜松城公園(250km地点)。

紆余曲折あったものの、怪我故障せずに時間内にゴールすることができて嬉しい。浜松城公園から「赤電」と呼ばれるローカル電車で実家に戻った。できれば一泊していきたかったが、明日は娘の保育園の運動会。シャワーだけ浴びて浜松駅へ向かった。それから新幹線ひかり号に乗って1時間半で東京駅に戻った。7日間かけて走った距離は、新幹線だと90分しかかからない。改めて新幹線の有難みを感じた旅だった。


以上、おわり。

お役立ち情報

東海道・日本橋〜浜松7日間250kmの旅ランで気づいた点をまとめる。

荷物はなるべくコンパクトに

今回は容量10Lのバックパックひとつで7日間過ごした。荷物の中身はこちら。

基本的に、宿で毎晩洗濯して、翌朝までに乾かすので、必要最低限の荷物しかない。アウターシェルはランニング中の風・雨よけに使うだけでなく、休憩中に食事をする際に重宝した。

トイレはコンビニを活用

今回の旅で一番心配だったのは、トイレ問題。特に「大」のほうは我慢しながら走るのは難しい。なので、朝ホテルを出発する前に出せるものは出し、道中でコンビニに寄る時はトイレを使わせていただいた。

疲労回復には柑橘系が効く

旅の2日目から疲労に悩まされたわけだが、疲労回復に効果的だったのがグレープフルーツジュースだった。クエン酸が多めの酸っぱい柑橘系ドリンクに何度も助けられた。

温冷交代浴

もうひとつ疲労回復で学んだのは、温水と冷水に交互に浸かること。温度が変わることで身体が刺激され、短時間で疲れを取ることができる。

入浴施設で休憩する

1日に40km走るとして、前半25〜30km、後半15〜10kmに二分割すると走りやすいことが分かった。そして入浴施設を休憩場所にすると、入浴して仮眠も取れるので最強だ。なので走行プランを練る時は、どこの入浴施設で休憩しようかを考える。

宿泊は大浴場付きのホテルを選ぶ

今回、宿泊先は事前に予約しておいた。ビジネスホテルが多かったが、疲れを取るために「大浴場付き」という点だけはこだわった。

ちゃんと歩ける 東海道五十三次

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